美しい画像が、プロフェッショナルの専門性を測る唯一の基準ではなくなった今。
わずか数行のテキストから、誰もが印象的な画像を生成できるようになった今、ビジュアル制作に携わる私たちにとって重要な問いは、単に「AIに何ができるのか?」ではなく、「専門性の本当の価値はどこにあるのか?」ということです。

AIは、画像の創作や制作のあり方を変えつつあります。アイデアの具体化を早め、素材や照明、背景などのさまざまな表現を試すことを可能にし、ビジュアルプロダクションに新たな可能性をもたらしています。しかし、美しい画像をつくることはあくまで出発点であり、プロフェッショナルな制作の最終的な目的ではありません。
建築、インテリア、商品ビジュアルなどの実際の制作では、見た目の美しさだけでなく、正確性、一貫性、そしてコントロールできることが求められます。
例えば、魅力的な建築パースであっても、視点を変えた際に建物の構造や比率、デザインの細部を正しく維持できるでしょうか。クライアントから素材の変更を求められた場合、空間全体に影響を与えることなく、必要な部分だけを正確に修正できるでしょうか。
AIは創造の可能性を広げますが、その画像を実際の制作要件を満たす成果物に仕上げるためには、デザインの知識と技術的な経験が引き続き重要です。
だからこそ、ビジュアルプロダクションの未来はAIだけにあるのではなく、AIと3DCG技術を組み合わせることにもあると考えています。CGは形状や比率、構造、カメラアングルをコントロールすることに優れ、AIはアイデアの展開やスタイルの検討、表現の幅を広げることを支援します。重要なのは、それぞれの制作目的に合った技術を選び、適切に組み合わせることです。

TOPPAN EQUATORは、デザインや3DCGに関する専門知識と、日本のクライアント向けの画像制作経験を基盤に、実際の制作現場の視点からAIに取り組んでいます。現在、既存の制作技術とAIを組み合わせる方法について研究・検証を進めており、制作効率の向上、品質管理の強化、そして成果物の価値向上を目指しています。
私たちはAIを専門性に取って代わるものではなく、専門性の価値をさらに広げるための技術として捉えています。
ビジュアルプロダクションの未来は、単に画像をより速く生成することではなく、より良く、より正確で、クライアントのニーズに応える成果物を生み出すことにあると考えています。
TOPPAN EQUATORは今後も本Newsセクションを通じて、画像制作におけるAI活用についての考え方や試み、実際の経験から得られた知見を発信してまいります。